今週は学校のクラスで2つの小さなイベントについて。
Pancake Breakfast:朝の教室でパンケーキを
朝、いつもの登校時間より少し早く集まり、みんなでパンケーキを食べて交流しましょうという企画。これは習慣的なイベントではなく、今回クラス独自で企画した新しい試みのようだ。
親同士が集まるのは月に1回あるかいないかなので、入学して半年の僕たちもまだ話したことのない人が沢山いて、何かイベントがあれば必ず夫婦で参加するようにしている。
この学校コミュニティに入って感じるのは、日本とくらべて親同士の付き合いがとてもドライだということ。
日本ではクラスが同じ親同士というのは「一切喋らない」か「毎回話し込んだりメールしたりするくらい親密になる」の2択ということが多いように感じる。そしてお付き合いとして自然とグループや派閥のようなものもできてくる。保育園であれば両親が働いていることが前提なので基本的に皆忙しく、送迎の際に少し話すくらいだが、幼稚園となると専業主婦であることが多い母親間の付き合いも大変だ。
この学校のKindergartenもお昼1:30までの「幼稚園」ではあるが、送迎時に母親たちが延々と油を売っているような光景はほとんどない。10分も遅れれば誰もいない(笑)
でも会えば必ず軽く挨拶して声を掛け合うフレンドリーな関係が全員同士にある。アジアから突如引越してきた僕たちに対しても特別なにか気を遣われることはなく、クラスの中の1家族という感じでフランクに接してくれる。
これは学校コミュニティというよりも、国柄や他人との接し方の文化的な違い互いかもしれないが、少なくとも互いに子を預けているという親近感の中で信頼し助け合うべきコミュニティがフレンドリーでありつつ、過度に干渉はしないという雰囲気がとても気楽で快適だ。
(しかし普段の気楽さとは裏腹に、役員会議などは恐ろしいほど白熱する。自由参加なので一度参加してみたが、企業で行われるミーティングよりよほどレベルの高いディスカッションで、衝撃を受けた。)
朝食後、子どもたちは通常の朝の始まりである「サークルタイム」を親たちの前で披露してくれた。基本的にクラスルームには親が入れないことになっているので、学校での日々の様子を垣間見ることができる機会は非常に楽しいひとときだった。そして誰よりも楽しそうに手遊びや歌をうたう我が子の姿をみて少し安心したのだった。
Parents Interview:先生との懇談会
クラスの先生2人と親が子どもの様子について話し合う懇談会。幼稚園も含め四半期に1度くらいのペースで行われ、9月の新学期に入学した我が家は今回で2回目だ。
学校は休校になり、子どもは家族毎に預け合って時間を作り、ひと家族45分ほど先生と話をする。最近の家庭での様子を伝えたり、クラスでの様子を教えてもらったり、描いている絵を見せてくれたり、あとは次の年に上のグレードに進むかどうかを検討したりする。
我が子は一切の英語を知らないままクラスに入って半年。相談事といえば「言葉が分からないけど上手くやっているかどうか」に尽きるように思うが、僕たちは実際それについてはあまり心配していない。しかも学校の先生に相談したいような悩みは今の所夫婦ふたりとも持っておらず、懇談会といえば「45分も英語で話を持たせるのは疲れるよね」というのが懇談会への意気込みだ…。
実際、英語は全く問題になっていないようだった。
むしろ我が子はクラスの中でも特に活発で、ハッピーに見えて、友達に愛され、クラフトの時間も集中力が高く、突然歌い出すほど面白く…。これは親バカトークではなく、僕たちが一切知らない教室内での様子なのでむしろ「突然歌い出すなんて大丈夫だろうか…」と心配している。
英語に関しては数ヶ月前より多くの理解をしていて、クラスで何が起こっているか、これから何をすべきかをしっかりと理解していること。スピーキングについては、どうしても意思を伝える必要がある時だけ、2単語くらいを並べられるようになっているそう。
我が子の事例を見て思うのは、この年齢の子にとって言語の違いはほとんど問題ではないということだ。5歳頃までに身につける思考能力や、いろいろな性格の他人と共同生活する上で必要な社会性、コミュニケーションの仕方、気持ちの察し方、そして身体能力に依存している。
クラスには共同生活をする面で問題を抱えている友達もいて(これは先の親子参観のような場で注意深く観察すると分かる)、一方で英語が全く分からないのに上手くやっている子どももいるということは、幼児期の子育てにおいても興味深い事例だと感じる。
もちろん、この年齢から更に学びを進める段階に移行していくには言語力が問題になる時期がすぐにやってくる。
前の記事にも書いたが、家庭での英語レッスンは一切なく、学校のある週5日、1日5時間だけ英語の世界にいるだけなので、英語の習得はかなりゆっくりになるだろう。親自身がネイティブでない以上、できる事は「出来るだけ英語世界にいる時間を増やす」ことくらい。
始業時間より10分早く送り届ける、友達家族に預ける、などという努力が必要そうだ。
次の年に上のグレードに進むかどうか
これは日本にはない仕組みだが、ここでは所属する学年を自由に選択できる。幼稚園の基本年齢を過ぎても、必要であれば、またはそこが快適であればGrade1に進む必要はない。進むから優秀という訳でも、進まないから劣っているということも一切ない。
子どもは年齢にそって機械的に成長する訳ではないし、成長させなければいけない訳でもないという当たり前のことを考えれば、とても自然なことかもしれない。北米の企業採用では年齢によって採用者を選択することは違法だが、そういう考え方もこういう自由さから繋がっているのだろう。
娘と同じクラスにも、半分くらいの子は2年目であったり、それに加えて早生まれ遅生まれの差があれば、身体の大きさが倍くらい違う子がいる。
我が子は多分、発達段階としてはGrade1に進んでも問題なさそうだが、もう1年幼稚園クラスに通うことでクラスのまとめ役になっていける、英語を習得していくということで、先生とも僕たちとしても来年はもう1度幼稚園クラスに行くことを考えている。