自宅の庭で鶏を飼い始めました。
卵はあちこちのファームで直売されていて、フリーレンジ(平飼い)、オーガニックのよいものが簡単に手に入ります。でも鶏は比較的簡単に飼うことができるし、自宅に鶏を飼いその卵を頂くというのは、子どもも何か感じてくれるかなと思い実行することにしました。
鶏小屋を建てる
まず鶏小屋を建てました。鶏小屋の必要要件は、開け閉めできる出入口があり、卵を取り出す小窓があり、産卵用の個室がある。ということ。ネットで検索すればいろんな設計図は出てくるのですが、既存の設計図を手に入れて、ホームセンターで木をカットしてもらって…というのは誰でもできるので、自分に「家の周囲にある端材だけで作る」というテーマを課して完全にオリジナルで製作しました。
鶏を買う
鶏はひよこから育てる方法もありますが、既に卵を産んでいる成鳥を探すことにしました。どんな品種がよいのか、生後どのくらいのものがよいのかを勉強し、ローカルの個人売買掲示板を探しました。
連絡をとって見せてもらい、品種や大きさ、それまでの飼育環境などをチェックして、2件目でとてもよい人に出会いました。
とても健康そうな鶏を4羽、我が家に迎え入れることができました。
日々のお世話
よく卵を産んでくれる子たちで、大体毎日、1日に3個〜4個産んでくれます。
鶏たちは夕方暗くなると自分たちで小屋に戻っていきます。その頃合いを見てドアを閉めてあげる(イタチやアライグマが出るので戸締まりはしっかりと)。そして朝起きたらドアを開け、昼間は自由に走り回らせておく。そして一定量の餌と水を与える。毎日鶏小屋の糞を掃除する。というのが日課です。
飼料にはオーガニックの穀物飼料、ペレットを与えています。我が家では野菜はすべてオーガニックのものを選んでいるので、キッチンから出るものを鶏の餌に回すことで、コンポストのゴミを減らすこともできます。
小屋の掃除や餌やりなどそれなりに手間は必要ですが、産みたての卵を見つける瞬間はとても嬉しいものです。
どんな卵を選んでいくか
いつも行くローカルストアやファームで買っていたのは、フリーレンジ・オーガニックの卵。値段は大抵12個パック$6(600円)程度。日本でも平飼い有機卵は農家直売で20個1000円くらいだったと思うので、卵の価格は日本とほとんど同じです。
(品質に拘らなければ、日本でも大型スーパーで10個パック100円代、カナダで12個パック$2〜$3程度、というのもほぼ同じ)
オーガニックの飼料はそうでない飼料の倍くらい高く、オーガニックだと言える状態にするだけでかなりお金がかかります。そして平飼いするということは広い場所、そして朝晩に小屋に出入りする世話、など結構大変です。経済的合理性だけを見れば家庭で数羽飼う程度であれば、10個$6で買った方が早いし安い。
ただ実際に飼ってみて感じたのは、飼育環境と与える飼料によって値段にそのまま反映されるのは当然だなという当たり前のこと。600円の卵は、200円の卵の3倍のコストと手間がかかっているということ。値段だけを見て「安い高い」ではなく、自分が何を求めるかということがとても大切だということです。
- 鶏を平飼いしオーガニックで育てるにはどのくらい手間やお金がかかるのか。
- 逆に、スーパーで大量に陳列されたピカピカの200円の卵は、どこでその矛盾を吸収しているのか。
産みたて卵を頂きながら、子供たちと一緒に考える機会になればと思っています。