現地での食事について
水の確保
山の中には指定されたキャンプサイトがありますが、水道も炊事場もありません。湖などが水源となります。調理用であればそのまま沸騰消毒して利用します。飲み水としてはウォーターフィルターで浄化して水筒に入れておきます。
食材の保管
山には熊やクーガー、その他の小動物がいます。夜間、テントの中はもちろん、周囲にも一切食べ物の匂いを残さないようにしなければいけません。キャンプサイトには少し離れた場所にフードキャッシュという鉄製ロッカーが備わっていて、食材はここに保管します。
これはキャンプサイトにある共同ロッカーで、動物が開けることができないようにフックだけかけられるようになっています。
後片付け
まず大事なのは、全員が残さずに綺麗に食べられる分量を作ること、取り分けること。
食後は一人一人ができるだけすぐにカップに水をいれて、ささっと汚れをおとし、土に流す。洗剤も残飯もない少しの水ですが、湖や川には流さず、またテントの周囲にも食べ物の匂いを残さないように注意します。
ゴミを持ち帰るではなく、そもそも出さないようにすること
今回、食事の全てをこの自家製ドライフードでまかないました。
この方法によって、山ではパッケージの紙ゴミやビニールゴミはもちろん、生ゴミも一切出す事なく生活できます。製品化されたフリーズドライ食品を買って持っていけば、生ゴミは出ませんがやはり1つ1つのパッケージゴミは沢山出てしまいます。今回77食分が必要でしたが、もしパッケージ製品を利用したとしたら、それだけで大量のパッケージゴミが出ていたことになります。
ゴミが出たとして、キャンプや登山をする人がゴミを山に残してくることはないと思いますが、「持ち帰れば何も問題ない」「家で分別して捨てれば問題ない」のでしょうか。
- ゴミを持ち帰ることが、良い事。
- ゴミをちゃんと分別しているから、地球に優しい。
これらは、消費をし続ける私たちにとっての都合の良い償いにすぎないかもしれません。登山を趣味とする人であれば、山にゴミを捨てないというのは当たり前のこととして考えている人ばかりだと思いますが、同時に沢山の人々がそういった趣味を行っていくために一体どのくらいのゴミが出ているのか。
山に向かう途中にサービスエリアやコンビニでペットボトル飲料や食べ物を買うだけでも、自分からはどんどんゴミがでます。
ちょっと面倒でも、家でできる限りの食事を作って再利用可能な容器に入れて持って行く。飲料は水筒に入れて持って行く。といったことをするだけで、それをしない場合にでるパッケージゴミを大幅に減らすことができます。
不必要なパッケージを日々大量生産する消費に疑問を持ち、少しでもゴミがでない方法を自分なりに考える。
今回のキャンプを通して、アウトドアで遊ぶということはただ登山をしたりキャンプをしたりすることそのものではなく、自然に身を置くことを通して自分の生活がどのように地球を壊しているのかを考えることなのかもしれないなと思いました。
おまけ
今、ドライフード商品の中で最も進んでいるのは「Patagonia Provisions」でしょうか。パタゴニアが食の分野においても、環境問題に対処し地元生産者を支援するべく、オーガニックで環境負荷の少ない、持続可能な食品コレクションとしてフリーズドライフードを展開しています。
Patagonia Provisions Fruit + Almond Bars from Patagonia Provisions on Vimeo.
生息数が豊富な天然魚だけを捕獲して加工したスモークサーモン。オーガニック農場から調達した果物、アーモンド、シード、果汁のみを使用したエナジーバー。そして煎った4種のオーガニック穀類と乾燥オーガニック野菜入りのスープミックス。などなど。
素晴らしいと思います。もしドライフードを買うのであればここから選びたいと思います。ですが、この素晴らしいプロダクトを購入するよりもずっと先進的な方法を知っています。
それが、自家製ドライフードです。
ぜひ広めていきましょう!